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CIC NOTE
先日、娘がテレビでアニメ『チ。-地球の運動について』を見ていたが、引き込まれて一緒に見てしまった。概要は、「教会が人々の心や科学までも支配している時代で、教会の教えの中で最も大切なひとつが、地球が宇宙の中心でその周りを惑星が動いているとする『天動説』だった。『天動説』がこの世の真理だとされ、その教えに背く者は『異端者』というレッテルを張られ、激しく弾圧された」というものだ。
その番組で興味を引かれたのは、『異端者』というレッテルを張られ、弾圧されながらも真実を追求してゆく人間の生きざまも興味を引かれたが、それ以上に自然界の物理法則における自転と公転の法則の美しさに感動した。人間が捻じ曲げてつくっている『天動説』理論のなんと不細工なことか。こんな美しい宇宙法則の中で人間が生きているということに感動した。
ちなみに、地球の公転速度は約10万km/時、自転速度は赤道上で約1,700km/時。こんな凄いスピードで移動していても、地球上にいる物体は吹き飛ばされないで、自分たちは運ばれている。不思議といえば不思議だが、それが「天動説」の理由の1つになっていたらしい。 感動したというと、5月の新緑の風薫るころ、父の墓参りのため、八ヶ岳山麓の大自然の中に行った。昼間の陽光の元では、周囲に広がる林や遠方の南アルプスの山並みが強く意識されるのに対して、陽が落ちると、それらは漆黒の闇に沈んで背景となり、満天の星が現れる。まさに宇宙と1つになる感覚になる。
現代科学の最先端、量子物理学(量子力学)によれば、人間の身体も、鉄やガラス、コンクリートといった個体物も、物質の最小単位まで遡れば、すべては粒子であると同時に、波動として存在しているとのことだ。頭上から降り注ぐ星の光も、林を渡る風の音も、すべては周波数をもった波、波動のエネルギー。すべての光、すべての音が波動。私たちの心、身体、そしてあらゆるエネルギー、あらゆる物質が、波動のエネルギーとして響きあっているのがこの宇宙の姿。満天の星空の中にいると、宇宙の中で生きていることを感じ、何か救われる気分になるのは私だけだろうか――。
話は変わるが、以前、科学館の物件を担当したときに、宇宙船のシミュレーターをつくったことがあった。子どもたちが宇宙船を操縦しながら、宇宙を冒険するものだが、その中のコンテンツでスイングバイ航法※1を取り入れた。
このように担当する仕事の中で、特に科学館展示の中では宇宙物理学の法則を使うものは多々ある。ただ、法則の一部分を切り出して展示に使うものがほとんどだ。私たちは空間創造を生業としているが、宇宙が創造する空間にはとてもじゃないが敵わない。宇宙が創造する美しさに少しでも近づきたいものである。
※1 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』スイングバイ(日: かすめ飛行〈かすめひこう〉・英: swing-by)とは、天体の運動と万有引力を利用し、宇宙機の運動ベクトルを変更する技術。天体重力推進(英: gravity assist)とも呼ばれる。