CIC NOTE

2025/01/17

価値を逆転したコンテンツ
津山 竜治
価値を逆転したコンテンツ

2025. 01-17

津山 竜治

私たちCICのスタッフは、コンテンツの魅力を、拡張する実装や新たなコンテンツ開発に、様々な個人とチームで日々、取り組んでいますが、その営みとは全く無関係に、“価値ある内容=コンテンツ”は、時代の変化によって、それを受け取る“人の中”でも変わっています。

むしろ、これはこういうものだという常識を疑うプロセスは不可欠で、逆転の発想から本質や新たな価値の手掛かりが見つかることもあります。

そこで、皆さんが知っているものもあるかと思いますが、私が最近出会った物事の中で常識的な価値観を逆転させて、魅力あるコンテンツに昇華していると私が感じたクリエイティブを数点ご紹介させていただきます。

“人と価値の関係性”をより新鮮に豊かにしたいと考える際の一つのヒントになれば幸いです。

クリエイティブ・ディレクション部 デザイナー  
津山竜治

 
 

もてなしの価値逆転1/ 立地
喫茶 竹の熊

その喫茶店は、とても遠い。
熊本空港から車で1時間超。駐車場もない。
しかし、美しい田圃を眺めコーヒーを愉しむひとときがある。

オーナー:穴井 春樹 撮影:津山 竜治

 
 

もてなしの価値逆転2/ 光・時間
喫茶 竹の熊  

その喫茶店は、店内に照明がない。空調もない。
しかし、水面が映り込む光があり、暖炉の温もりがある。
外が暗くなったら閉店する。
しかし、家に帰って家族と過ごす時間がある。

オーナー:穴井 春樹 撮影:穴井 春樹

 
 

もてなしの価値逆転3/ 客席と舞台
喫茶 竹の熊

田圃を眺めていた板の間は、秋祭りには能舞台となり五穀豊穣と集落の安全を願い神楽が奉納されるそうだ。

オーナー:穴井 春樹 撮影:津山 竜治

 
 

もてなしの主客逆転4/ 配膳と飲み物
喫茶 竹の熊

竹籠で、配膳された地ビール 。そのもてなしが、味わいをより印象的にした。意外性でコンテンツはより輝く

オーナー:穴井 春樹 撮影:津山 竜治


 

光演出の価値逆転/
KAST FIBER BEAM

レーザー演出を手掛けるKASTがレーザー光をLEDと同様の安全な光に変換するシステムでファイバービームを開発で、従来のレーザー光では、網膜への危険性でできなかった観客に向けた光照射や、光線そのものが鑑賞可能な演出になった。

製作:KAST 撮影:津山 竜治

 
  

地名の価値逆転/
Metro Map 2006

ART FACTORY 城南島オープンアトリエで、作者の桑山氏に見せてもらった作品の部分。
桑山彰彦「 Metro Map 2006 」

地名を、翻訳した地図のアート作品
“意味”が宿ると、見慣れた駅のイメージが、一変する!


New Bridge・・・・・新橋
Big Hand Town・・・大手町
Shout of Victory・・・?!

©︎Akihiko Kuwayama 撮影:津山 竜治

2006年から始めた作品で、昨年JRの関東甲信越東海エリア版と JR東海関西エリア版を作り、現在中国四国九州版を制作中。
最終的には全国のJR私鉄地下鉄をオールインワンにして屏風を製作する(来年頃予定)のと合わせて高速道路版も制作、未知の日本が拡張中。