CIC NOTE

2025/09/12

アナログのたのしみ
長谷川 聡子
アナログのたのしみ

2025. 09-12

長谷川 聡子

文化施設で解説パネルなどのグラフィック制作管理をしています。

最近レコードプレイヤーを購入しました。プレイヤーが壊れて20年以上、ようやくレコードを聴けるようになりました。久しぶりにレコード盤を取り出すと、以前と変わらない輸入盤の匂い。レコードプレイヤーもCDプレイヤーも壊れてからは、ずっとPCかサブスクリプションで聴いていましたが、フィジカルな音源は良いものです。

デンマークでは郵便ポストがなくなり、手紙の配達は民間が行うようになるそうです。私もはがきや手紙を送ることはまれになってしまいましたが、ペンフレンドからのエアメールを受け取ったときのうれしさや封を開けたときの匂い(輸入盤レコードと同じ匂い)を思い出すと、寂しさを感じます。

映画館で見る映画もデジタルのものが多くなり、フィルム上映はまれになりました。よく行くミニシアターではフィルム上映のものがあり、映像サイズにあわせてスクリーン両端のカーテンが動くのを見るとわくわくします。

少し前に、木でできた弥生時代のおままごとセットのようなハンズオンをつくりました。正直なところ、どう遊んでもらえるのか不安だったのですが、館の方からすごく人気があると聞きました。遊び方のマニュアルなどがないにもかかわらず、自由な発想で使ってもらえているようでした。

便利なデジタルの時代だからこそ、アナログには心を動かす力があるのかもしれません。これからも、伝えたいことに合わせてアナログとデジタルを適材適所に取り入れ、楽しいものを作っていきたいと思います。